エリオシトリンの分子構造からみた色と抗酸化作用

レモンの果実の黄色い色素

下の写真は田浦町の道の駅で買った、地元の農家の人がつくった黄色と青のレモンです。これらのレモンの種を植えて実生苗を栽培しています。
田浦町の道の駅で買ったレモン

エリオシトリンの分子構造

レモンの黄色い色素はエリオシトリンであるといわれています。

エリオシトリン
エリオシトリン

エリオシトリンはヘスペリジンの4′-位のメトキシ基(-CH3)が水酸基(-OH)になったフラボノイド系の有機化合物です。メトキシ基より水酸基の方が親水性が高いので、エリオシトリンはヘスペリジンより若干親水性だということが分子構造からわかります。

エリオシトリンの分子中の黄色い部分

どの部分が黄色いかというと、下記の構造式の黄色で囲んだ共役系の部分です。共役系というのは共役二重結合の部分のことで、単結合と二重結合が交互に繋がった部分です。構成原子は炭素Cに限らず、窒素原子Nなどもありえます。フラボン骨格のフェニル基の部分は共役系に含まれません。単結合が2つ連続している部分で共役二重結合が遮断されているから、共役系は黄色で囲んだ部分に限られるからです。この程度の共役系では最も波長の短い可視光ぐらいしか吸収できないので、その補色の黄色がヒトの目には見えます。ベンゼン環単独では無色透明だから色には関係sりません。

エリオシトリン
エリオシトリンの黄色い部分

エリオシトリンはルテオリンの2-位と3-位の炭素の間のC=C二重結合が単結合になって(水素化されて、あるいは還元されてと言ってもいいです)、さらに7-位の水酸基に二糖がエーテル結合を介してつながったものという表現もできます。

ルテオリン
ルテオリン

抗酸化物質と抗酸化作用

エリオシトリンは強力な抗酸化作用を示すといわれています。抗酸化作用とはどういうことかというと、相手が酸化されないように自分が代わりに酸化されるという意味です。酸化と還元は常に同時に起こります。自分が酸化されるということは相手が還元されるので自分は還元剤です。例えば活性酸素は強力な酸化剤ですが、それが体の中であるものを攻撃して酸化しようとした時に、ビタミンCが代わりに酸化されるといったイメージです。この場合、ビタミンCは還元剤です。

酸化反応は酸素Oが化合する反応、水素Hが取れる反応、電子eを奪う反応です。還元反応は酸素Oを取る反応、水素Hを与える反応、電子eを与える反応です。

エリオシトリンも還元剤として活性酸素を捕捉して還元すると同時に自身は酸化されます。触媒反応ではなく1回きりで終わるので犠牲的還元剤となります。だから不足すると困ります。喫煙者はビタミンCを摂った方がいいといのはそういう意味があります。これによって体の中の組織がダメージを受けずに済むわけです。だからがんの予防にもなると考えられます。

では、エリオシトリン分子のどの部分が酸化されるのでしょうか。それはフェノール性の水酸基の部分と考えればよいと思います(ベンゼン環に付いた-OH)。糖の部分のアルコール性水酸基(R-OH)ではありません。例えば、あるポリフェノールのフェノール性水酸基のHがとれて、さらに電子eも奪われるとケトンという化合物群に分類される官能基になったとします。つまり、>-OHが >=O になったとします。この場合は、フェノール性水酸基の部分が酸化されたので、相手の分子が還元されたことになります。相手の分子が例えば活性酸素だった場合は、それが還元(水素化)されると水H2Oになります。

抗酸化剤(還元剤)の詳細な反応機構はけっこう複雑だったりしますが、それを抜きにしても、フェノール性の水酸基の部分を有する分子は多かれ少なかれ抗酸化作用を示すと覚えておいて差し支えないと思います。アントシアニンやタンニンなどのポリフェノールが典型的な例です。多くのファイトケミカル(植物化学成分)は抗酸化作用を示します。ただし、迎撃するにはある程度の分子数が必要ですが、何でも摂り過ぎはよくありません。ビタミンCのような水溶性のものは尿と一緒に出てきますが、脂溶性のものは脂肪中に蓄積します。







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