ルテインはホウレン草などに含まれる抗酸化物質で、カロテンよりも抗酸化作用が強いといわれています。カロテンとの大きな違いは水酸基(-OH)が2個付いていることです。ほかの部分も若干の違いがあり、単純に水酸基を2個外してH原子に替えただけのものではありません。
ルテインは慣用名です。そこで、ルテインの正式名称を付けてみようと思います。
trans-ルテインの構造式
trans-ルテインの体系名(IUPAC名)
まず、両側のシクロへキセン環を除いた主鎖の炭素数を数えます。全部で18個あるので、オクタデカン C18H38をもとに命名します。
C=C二重結合が9個あるのでoctadecaneの語尾にaneを取ってnonaeneを付けます。このとき、octadecとnonaeneの間にaを入れてoctadecanonaeneとなります。C=C二重結合の2つの炭素のうちの最初の炭素の位置番号を全部挙げると、1,3,5,7,9,11,13,15,17-となります。よって、1,3,5,7,9,11,13,15,17-octadecanonaeneとなります。
これにメチル基が4個付いているので、位置番号を全部挙げると、3,7,12,16-となります。よって、3,7,12,16-tetramethylを上記の名称に入れます。
すると、3,7,12,16-tetramethyl-1,3,5,7,9,11,13,15,17-octadecanonaeneとなります。この分子の左端と右端に六員環のシクロヘキセンが付いています。
ここで何を中心に命名するかですが、右端の六員環がテトラメチルオクタデカノナエンに付いたものがさらに左端の六員環に置換基として付いたものとして命名すると、
4-[18-(4-Hydroxy-2,6,6-trimethyl-1-cyclohex-2-enyl)-3,7,12,16-tetramethyloctadeca-1,3,5,7,9,11,13,15,17-nonaenyl]-3,5,5-trimethylcyclohex-3-en-1-ol
和名にするにはカタカナにします。
4-[18-(4-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-1-シクロヘサ-2-エニル)-3,7,12,16-テトラメチルオクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-オール
となりました。