
ビタミンB6とは
ビタミンB6 (vitamin B6) は、ピリドキシン (pyridoxine)、ピリドキサール (pyridoxal) 、ピリドキサミン(pyridoxiamine) の混合物で、その化学構造からも容易に想像がつくように水溶性ビタミンです。なぜ水に溶けることがわかるかというと、分子全体が比較的小さく、しかも親水基が複数あるからです。
いろいろな食材のビタミンB2含有量(μg/100g食材)
シークヮーサー100gに含まれるビタミンB6の含有量は30μgといわれています。その量が多いか少ないかをみるために、下表に代表的な食材100g当たりのビタミンB6含有量(マイクログラム (μg) = 10-6g)を示しています。各食材のカテゴリー上位から代表的なものを1〜2個適当に選んで示しています。
食材100g当たりのビタミンB6(μg)(各種食材の上位から1〜2位を適当に抽出)
こうして全体的に眺めてみると、柑橘類にほかのビタミン同様、ビタミンB6もあまり含まれていないことがわかります。よって、シークヮーサーの30μgはゆず(果皮)の90μg, レモン(全果)の80μg, いよかん、オレンジ、はっさくの70μg、きんかん、みかんの60μgには及びません。カボス(果汁)と同程度です。柑橘系自体、他の食材と比べるとビタミンB6の含有量はかなり少ないということが上の表からわかります。
ビタミンB6を摂りたいなら柑橘類よりももっと効率的に摂れるものがあるといえます。
ビタミンB6のIUPAC名
ピリドキシン(pyridoxine)
ピリドキシンは慣用名です。ピリドキシンの考えられるIUPAC名の1つは4,5-Bis(hydroxymethyl)-2-methylpyridin-3-olです。ピリジン(ベンゼンの6個の炭素のうち1つが窒素原子Nになった6員環の複素環化合物)のNが1番になります。そこからみて水酸基が2番になります。逆に回ると水酸基が付いたメチル基(ヒドロキシメチル基)(-CH2OH)が3番になるので、番号が最も小さくなる2を採用します。すると4番と5番にヒドロキシメチル基が2個付いているので、4,5-Bis(hydroxymethyl)-とします。2つを表わす接頭辞はdiもありますが、複雑な置換基になるとbisが使われます。次に、メチル基が2番の炭素に付いているので4,5-Bis(hydroxymethyl)-2-methylとします。最後に、ピリジン型のアルコールとして命名するとpyridineの最後のeをとって-olを付けます。完成型は4,5-Bis(hydroxymethyl)-2-methylpyridin-3-olです。もう一つの付け方は、4,5-Bis(hydroxymethyl)-3-hydroxy-2-methylpyridineです。これはあくまでも置換基の付いたピリジンとして命名した場合です。
ピリドキサール(pyridoxal)
ピリドキサールは慣用名です。ピリドキサールの考えられるIUPAC名の1つは3-Hydroxy-5-(hydroxymethyl)-2-methylpyridine-4-carbaldehydeです。アルデキド基があるので、アルコールの水酸基より優先されるので、ピリドキサールやピリドキサミンのIUPAC名とは命名方法が異なります。アルデヒド基はカルバルデヒドとします。もし、カルボン酸が付いていればカルボキシル基が優先されるので、アルデヒド基は形容詞的なホルミル(formyl)として、hydroxyより前に来ると思います。あくまでもピリジンを主体として命名したい場合は、4-Formyl-3-hydroxy-5-(hydroxymethyl)-2-methylpyridineもありだと思います。
ピリドキサミン(pyridoxamine)
ピリドキサミンは慣用名です。ピリドキサミンの考えられるIUPAC名の1つは4-(Aminomethyl)-5-(hydroxymethyl)-2-methylpyridin-3-olです。4-(Aminomethyl)-3-hydroxy-5-(hydroxymethyl)-2-methylpyridineもありだと思います。
