シークヮーサーの実生苗の鉢植え栽培

アイキャッチ画像は2017年5月12日現在の実生苗です。

これまでの経過

シークヮーサーの実生2017年4月29日に種から発芽しているのを発見しました。
シークヮーサーの実生2017年5月6日現在、少し生長しました。
シークヮーサーの実生2017年5月7日現在。
シークヮーサーの実生2017年5月18日現在。
シークヮーサーの実生2017年5月22日現在。2本目も出てきました。
シークヮーサーの実生2017年5月22日現在。3本目も出ていました。
シークヮーサーの実生2017年5月22日現在。全部掘り起こしたら1個の種から3本得られたので、合計5本ありました。
シークヮーサーの実生2017年5月22日現在。これらを鉢植えにしました。この写真で、右上、左上、左下の3本は1個の種が発芽したものです。
シークヮーサーの実生2017年6月28日現在。5本全部育っています。
シークヮーサーの実生2017年7月19日現在。今のところ害虫にはやられていません。
シークヮーサーの実生2017年7月19日現在。幹も少し太くなってきました。
シークヮーサーの実生2017年7月24日現在。アゲハの幼虫が発生していました。退治したので写真には写っていません。茶色の小さい幼虫で1齢幼虫ぐらいでした。双葉にいましたが、すでに本葉が食害されれいます。油断も隙もありません。これが畑に地植えしたものだったら見つけるのは難しいと思います。
シークヮーサーの実生2017年9月29日現在。鉢の下から根が出てきています。そろそろ鉢を一回り大きなものに替える必要がありそうです。
シークヮーサーの実生2017年9月29日現在。鉢の中央の1本が大きくなっています。さらにそのまわりに4本あります(合計5本)。
シークヮーサーの実生2017年10月7日現在。大きな苗の先端に新芽が出てきています。
シークヮーサーの実生2017年10月20日現在。10月7日時点の若葉が大きくなっています。
シークヮーサーの実生2017年10月20日現在。大きな苗の先端が分岐しています。10月7日時点では分岐していませんでした。
シークヮーサーの実生前の写真を撮影してからほぼ3年2ヶ月の2020年12月9日現在、5本の実生苗のうち真ん中の1本が大きく育っています。高さはありませんが、横に広がったという印象です。仕立てとしてはよい傾向だと思っています。上に上にと伸びていくとそちらに養分が取られて実が生りにくいからです。そういう場合は上を切らなければなりませんが、この苗はその必要はなさそうです。もう一つの鉢の最も成長した1本はかなり上に徒長した感じになって曲がっていますが、この鉢の1本は割と横に広がった感じで成長しています。仕立ては比較的うまくいっていると考えています。
シークヮーサーの実生2020年12月9日:苗木の下半分を撮影。5本あることがわかります。中央の1本の幹が太いです。
シークヮーサーの実生2020年12月9日:角度を変えて撮影。ナミアゲハの幼虫に葉っぱを食べさせたりしましたが、それでもけっこう茂っているように見えます。
シークヮーサーの実生2022年6月7日:5本中、3本枯れていました。来月帰省した時に地植えしようと思いました。残りの2本も上の方の枝の先の方が枯れてきているからです。鉢のコンディションがあまり良くなさそうです。

まとめと今後の予定

シークヮーサーの種を接ぎ木苗の鉢の土に軽く埋めておいたら発芽しました。3ヶ月足らずでやっと安定した木らしくなってきました。しかし、このまま生長を見守っていたら実が生るまで10年ぐらいかかりそうです。

一般に実生苗は親と同じ実は生らないといわれていますが、柑橘類の場合は同じものが得られるといわれます。柑橘類は多胚性の種なので、受粉によって出来た1つの雑種胚と複数の珠心胚(親株のクローン)からなります 雑種胚は普通は弱いので発芽率は2%程度、珠心胚が成長する可能性は98%程度といわれています。今回、1個の種の中から3本の芽が出てきました。珠心胚を育てれば親と同じ形質を持つ個体を得ることができるますが、優良突然変異個体が得られることもあります。

このように、シークヮーサーの実生を育てることは非常に興味深いことは間違いありません。ただ、問題は実が生るまで何年かかるかわからないことです。最低でも10年は覚悟した方が良さそうです。ただ、小さい鉢からは始めて、根詰まりと鉢増しを繰り返すなどして、うまくやれば結実が早くなる例もあるようです。

ある程度木が大きくなったら、すでに実が生っているシークヮーサーの枝を接ぎ木して、実を得ることもできそうです。でも、実生苗では結実まで最低でも10年ぐらいかかりそうなので、やはり、接ぎ木苗の地植えと鉢植えには敵わないと思います。そして、実生苗の地植えでは、冬の寒さのための枯れてしまうことも考えられるので、実生の鉢植えを3位にしたいと思います。ただし、優良突然変異個体が得られる可能性があることを考えると、結実年数を度外視すれば最も可能性のある栽培になることは間違いありません。上記の2017年5月22日の写真の4枚目にある右上、左上、左下の個体です。小さい方から数えた時の3本です。

2017年12月4日現在、1本だけ大きくなっています。しかし、先端で分岐してくれているので、分岐せずに上に徒長した感じになっている別の鉢のシークヮーサーの実生苗よりは仕立てはよい傾向にあると思っています。

2017年12月から3年経った2020年12月9日現在、実生苗はほぼ順調に育っています。10月までにナミアゲハの幼虫に葉っぱを食べさせていましたが、それでも影響はさほどなかったように思います。鉢植えでずっと育てようと思っていたのですが、2021年になったら地植えするかもしれません。その方がより成長しそうだからです。仕立てをうまくやれば実生苗であってもわりと短い年数で実が生るようになると期待しています。

鉢植え用の実生苗は最低1本あればいいのですが、ひとまず残りの4本もこのまま育てて行きます。

鉢植えの実生苗のデータと予想される結果年数

苗の入手方法
DCMダイキ本山店で買ってきた接ぎ木苗に生っていた果実の種が発芽したもの
苗の種類
実生苗
苗の大きさ
まだかなり小さな実生苗
2017年7月いっぱいで発芽してから3ヶ月
栽培場所
鉢植えでベランダ
予想される結果年数
7年〜10年と予想
実生苗の特徴
一般には親と同じものは得られないと言われているが、柑橘系の場合は珠心胚実生を育てれば親品種と同じ形質を持つ個体を得ることができる。

結果と考察(2023年6月20日現在)

2017年から育てた実生苗が2023年1月頃に枯れてしまいました。最初の数年は良かったのですが、その後、年々退化してきているように見えました。鉢植えは畑に地植えした場合と違って根の張る範囲に制限もあるし、根詰まりも起こすので手入れが大事だと痛感します。それでも鉢植えは根が広がる範囲が有限ですので、木が大きくなるにもかなりの制限がかかります。バランスや置き場所の問題も生じます(台風の時の対策もけっこう大変です)。鉢植えは難しいなと思っていましたが、そんな中、2023年1月下旬頃に襲った大寒波の時にベランダの木や植物がだいぶ枯れました。その時にこの鉢植えもとどめを刺された感じです。いずれにしても鉢植えは盆栽でもない限り長期栽培には適さないというのが今回の試みから得た教訓です。数年育ててから畑に移植というのがベストな方策であると感じました。これでこの試みは終わりとします。鉢植えは地植えの前段階が関の山という結論に達しました。

この実生苗は2023年夏に枯れてしまいました。よって、このページの更新はもうありません。






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