上のアイキャッチ画像は7月20日時点のものです。
畑で育てるためのレモンの実生苗
レモンの実生苗は実が生るまでにユーレカやマイヤーなど勢いの弱い品種で10年、リスボンなど樹勢の強い品種で15年くらいかかると言われています。木が3メートル以上になったら花を咲かせるようになります。これは樹勢が強いと結実年数が長いことを意味しているようにとれます。鉢植えでは生長に制限がかかるので、地植えにした方が生長が早く、その分結実年数が短くなる可能性があると考えがちですが、むしろ鉢植えでうまくやった方が結実年数を短縮できるという例もあるようです。
そういった意味では、根の広がりが鉢植えのように有限ではない地植えの方が却って木が大きく育ち、結実年数が長くなることが考えられます。柑橘類の実生は木が大きくなることにエネルギーを費やすので実が生るのが遅くなると言われています。
よって、実生苗を育てるなら地植えより鉢植えの方が良さそうです。
さらに、地植えした場所の気候が冬に冷え込みが厳しい場合、枯れてしまう可能性が高いです。鉢植えの場合は室内に取り込んで寒さに曝さないようにすることもできます。そういった意味からも、地植えより鉢植えが良さそうです。
この実験では田ノ浦の道の駅で買ってきたレモン3個の種を用いて地植え用の実生苗を育てて、ある程度大きくなってから畑に植えることを予定しています。
レモンは田浦町の農家の人が栽培したものですが、品種は書いてないので不明です。でも、栽培しやすさをシークヮーサーと比較するために栽培するので、品種不明でもあまり支障はありません。ただ、1個の種から複数の芽が出て来た種はなかったので、少なくともリスボンではない可能性が高いです。例えばマイヤーレモンの場合、1本しか芽が出ないようです。マイヤーレモンの種は単胚雑種なので、その実生苗からは親と同じものは得られないといわれています。できればリスボンのような品種であって欲しいですが、たとえマイヤーレモンの可能性があったとしても気にせずそのまま育てていくしかありません。品種は今後もわからないので、しかたありません。
これまでの経過
現在、茶色のプラスチック鉢で実生苗を育てています。その過程を下記に示します。
2017年までのまとめ
ほんの一週間足らずでけっこう生長しました。最初はこまめに観察しましたが、これから先はそうもいかないので、様子を見ながら重要な局面をレポートします。
この苗は畑に植える予定です。このまますぐに畑に植えてもだめなので、最低でも50センチメートルぐらい生長してからにしたいと思います。そこまで数年かかるかもしれません。結果年数は10年以上かかるかもしれないし、親品種と同じ形質の個体が得られるかどうかもわからないわけですから、どうしてもはっきりと品種のわかっている市販の接ぎ木苗に期待してしまいます。市販の接ぎ木苗がうちの気候で地植えで育つならベストなのですが・・・。また、地植えの場合は鉢植えと違って管理が難しいため、害虫の予防と駆除で農薬のコストがかかりそうです。草刈りの手間もあります。よって、この実生苗の地植えは最下位の3位としました。
実生の栽培はやってみないとわからないところがあります。7本でよく育っている鉢植えもあれば、この鉢のように1本しか植えていないのに生育状況が今一つのものもあります。
2020年12月時点のまとめと今後の予定
2017年11月10日からほぼ3年1ヶ月経った2020年12月8日に鉢を一回り大きいものに替えました。苗自体は10月までにナミアゲハの幼虫に葉っぱを食べさせていたので一時期ほとんどなくなって骨だけになっていましたが、また新しい葉っぱが出てきました。もう畑に植えても良いレベルには来たと思います。2021年春に検討します。この鉢の苗を地植えしたら、もうレモンの実生苗の鉢植えは最後の1個になります。両方ともわりと順調に育ったといえそうです。
2023年7月1日に畑に移植しました。
レモンの実生苗のデータと予想される結果年数