上のアイキャッチ画像は7月20日時点のものです。
レモンの種が発芽したので鉢植えで栽培
レモンは一部の品種を除けば種から育てても親と同じものができるといわれています。しかし、実が生るまでに一般に10年〜15年以上かかるといいます。その点、市販の接ぎ木苗なら早ければ2〜3年で同じ品質の実が生るので、品質の確実性と結実年数の短さにこだわる場合は実生苗の栽よりは接ぎ木苗の栽培の方がいいと思います。しかし、優良突然変異個体の可能性を求めるなら実生苗の栽培を選択しなければなりません。
寒い気候の土地では柑橘類はあまり育たないので、鉢植えにして冬は室内に入れることが必要になります。
そこで、ここでは田ノ浦の道の駅で買ってきたレモン3個の種を蒔いて得られた実生苗を栽培することにしました。地元の人が栽培したものです。品種はわかりません。シークヮーサーと比較するために栽培しています。
今のところ1個の種から複数の芽が出てきたものはありませんが、雑種胚だとしてもそのまま育てていこうと思います。現在、複数の実生苗を鉢植えで育てています。その過程を下記に示します。
これまでの経過
2017年7月1日に田ノ浦の道の駅で買ったレモン3個。地元で作ったレモンです。
2017年7月4日に割った小さい方の黄色のレモン。断面に種が見えます。
2017年7月13日時点で芽が出てきた種と出てきつつある種。1週間以上、オクラを栽培しているプランターに蒔いていました。梅雨の時期のせいか、皮を剝かずにおいていたのですが発芽していました。
全部土に浅く埋めました。
2017年7月15日、さらにレモンを食べたあとに種が出ました。載せておきました。最初はヌルヌルしているので、翌日に外皮種を剝くことにします。
2017年7月16日、外皮種を剝いて浅く埋めました。剝いた外皮種も鉢の中に置きました。
2017年7月17日、最も生長していた1本が頭をもたげてきました。
2017年7月19日、葉っぱが生長してきました。
横から撮影。
2017年7月22日現在、3本になりました。
2本目。(2017年7月22日)
3本目。(2017年7月22日)
2017年8月18日現在、7本あります。(2017年8月18日)
7本のうち、5本はけっこう伸びています。(2017年9月13日)
7本のうち2本はあまり伸びていませんが、そのまま間引きせずに放置しています。(2017年9月28日)
そろそろ鉢を大きいものに替えてもいいと思われます。(2017年10月7日)
鉢の下から根が出て来ています。(2017年10月7日)
鉢をひっくり返して中を見てみたら、けっこう根が張っていました。(2017年10月7日)
5号鉢に替えました。もっと大きく育ってくれるでしょう。(2017年10月7日)
上から見るとけっこう繁っています。(2017年10月22日)
今朝は冷え込んだので先端が少しだけ萎れていました。しかし、他の鉢の実生苗と比べると耐寒性はあるように思われます。(2017年12月4日10:56)
午後になってもこの写真の様子とほとんど変わらなかったので、
同時に栽培している他の品種の(今朝萎れていた)実生苗と比べると相対的に耐寒性はあるといえます。代表的なレモンの品種でリスボンというのがありますが、それは耐寒性があると言われています。
一方、ユーレカやビアフランカは耐寒性はリスボンに劣るといわれています。だからといって、この実生苗の品種が断定できるわけではありませんが、ユーレカやビアフランカよりはリスボンである可能性が高いかもしれません。(2017年12月4日10:56)
1枚前の写真を撮影してから3年経って、7本ある実生苗のうち1本だけかなり大きくなりました。残りの6本は鉢の判別の目印になるので、そのまま植えておこうと思っています。(2020年12月8日11:17)
10月までにナミアゲハの幼虫に葉っぱを食べさせて、この鉢は葉っぱのない骨だけになっていたのですが、この1ヶ月でだいぶ葉っぱが出てきました。(2020年12月8日11:17)
全体像を日光が当たっている時に撮影。7本の苗のうち、1本だけ大きくなっています。太い苗が2本あるように見えるのは、まあまあ成長しているけれども1本目よりはだいぶ小さい苗が1本あるためです。残りの5本の小さい苗も一応残しておくつもりです。鉢の判別の助けになるからです。もう1個の鉢の苗を地植えしたら、もう鉢植えはこの1個しかないので、小さい苗は処分して2本残す予定です。(2020年12月9日13:58)
ナミアゲハの幼虫4匹に葉っぱを食べさせたので、一時期ほぼ骨だけになっていたのですが、この1ヶ月で新しい葉っぱが出てきました。(2020年12月9日13:58)
根元付近の写真。1本だけ大きい葉っぱがついた苗があるように見えますが、それはいちばん大きい実生苗の枝の葉っぱです。(2020年12月9日13:58)
最も育っている1本目があれば2本目、3本目は間引いてもいいのですが、保険のためにそのまま残しておきます。(2020年12月9日13:58)
室外機の横に置いて、日光が当たっている状態で全体像を撮影。鉢が小さくなったので、一回り大きい鉢に近々植え替える必要がありそうです。(2020年12月9日14:08)
1枚前の写真を撮影してから1年半後の苗木の状態。もう鉢植えではあまり大きくならないようなので、地植えしてみようかと思ったり。swも、1つぐらいは鉢植え実生苗があってもいいような気もして、逡巡しています。(2022年6月6日10:31)
2017年12月時点でのまとめ
シークヮーサーと違って、1つの種から複数の芽が出てきたものは今のところありません。ここで2つの可能性が考えられます。
1つ目は、この種が多胚性の種であった場合です。芽が1本しか出てこなかった場合、雑種胚が小さすぎて出てこれなかった場合と、純系単胚になっていた場合です。いずれにしてもそのまま育てても親と同じものが得られるので差し支えないです。
2つ目は、もしかしたらこのレモンの品種は多胚性のリスボンなどではなく、雑種単胚のマイヤーレモンであった場合です。この場合は親と同じものは得られないことになります。
おそらく上記の1つ目だと予想しますが、どちらであったとしても、これらの実生苗は鉢植えで育てる予定です。鉢を随時大きくしながら育てていきます。鉢植えの長所は冬の厳しい冷え込みを避けることができる点です。また、うまくやれば地植えの場合より結実年数を短縮できるといいます。しかし、欠点は、鉢植えは地植えと比べてどうしても木が小さいということです。鉢の容積が有限のため、木の生長に制限がかかってしまいます。そのため、収穫量も少なくなります。それでも、畑に植えて寒さで枯れてしまうよりはましです。また、仮に育てた木がいま一つだったとしても、盆栽に転用することも可能です。よって、この実生苗の鉢植えは盆栽への拡張性も加味して、市販の接ぎ木苗の鉢植えに次いで第2位としました。
2020年12月時点でのまとめと今後の予定
2017年12月4日現在、7本育っています。今後、もう少し絞り込んでいく必要があります。今後、もう1個の鉢植えの苗を畑に植えて、この鉢植え1個だけになった時に間引きして2本だけ残そうと思います。間引きする時は、苗を抜き取ることはできそうにないので、幹を地面付近で切断するつもりです。
2023年8月10日に畑に移植しました。
レモンの実生苗のデータと予想される結果年数
レモン果実を入手した場所 |
田浦町の道の駅 |
苗の種類 |
実生苗 |
栽培場所 |
ベランダで鉢植え |
予想される結果年数 |
8年 |
実生苗の形質 |
たぶん単胚性 |